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悪魔が来たりてなんかいう(ラーメンズ台本)

●登場人物 悪魔1♂:あだ名は「マンちゃん」 悪魔2♂:あだ名は「グリちゃん」

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●注意事項

「ラーメンズ」の同名のコントを書き起こし、声劇用に多少の改変を加えたモノです。

この台本に関しては性別転換等々、好きなようにお使いください。

だいたい上映時間は10分前後になると思われます。

EndFragment

●本編

<ノックの音> 悪魔1「俺は悪魔だ」 悪魔2「俺も悪魔だ」 悪魔1「お前を迎えにきた」 悪魔2「お前を迎えにきた」 悪魔1「それは今、俺が言った」 悪魔2「俺だってこのセリフ言いたい」 悪魔1「俺が言ったんだからお前はもういいんだ」 悪魔2「なんで自分がリーダーみたいに……」 悪魔1「角が一本だから俺が一番だろ」 悪魔2「角が多い方が偉いに決まってんだろ」   <閉められそうになる> 悪魔1「おい、待てよ、閉めるな、おい」 悪魔2「話を聞け」 悪魔1「お前はこれから俺達と地獄に行くんだ」 悪魔2「かわいそうになあ」 悪魔1「地獄にもいろいろある」 悪魔2「たとえば“ネットウ地獄”」 悪魔1「お前は熱闘甲子園と書かれた横断幕をたなびかせて、ラクビーの応援に行かされる」 悪魔2「あー、恥ずかしい」 悪魔1「しかも花園決勝戦」 悪魔2「あー、盛り上がってる」 悪魔1「しかも社会人ラグビー」 悪魔2「あー、よく知らない」 悪魔1「地獄はまだまだある」 悪魔2「たとえば“アリ地獄”」 悪魔1「お前はあまり乗り気じゃない合コンに無理やり行かされる。     そして、全然興味のない女に、     “ほかの男の子はアリだけど、あの人だけはナシだよね”とか言われる」 悪魔2「あー、腹立つ」 悪魔1「しかも、男が二十人余ってる」 悪魔2「あー、脈がない」 悪魔1「しかもお前だけアイビールック」 悪魔2「あー、就職戦線異状なし」 悪魔1「地獄は他にもまだまだある」 悪魔2「たとえば“極道に惚れたら女は地獄”」 悪魔1「これはお前は男だから関係ない!」 悪魔2「ちなみにお前が行くのは“チクチク地獄”だ」 悪魔1「針でチクチクされる地獄じゃないぞ、自分がかつて犯したささいなミスについて、     姑にチクチク嫌味を言われ続けるんだ」 悪魔2「そう、チクチク地獄といっても勘違いするなよ、針でチクチクされるわけじゃあない」 悪魔1「だからそれは俺が今言っただろうが」 悪魔2「この台詞は俺が考えたんだろうが」 悪魔1「今はどっちが考えたとかいう問題じゃ……」   <閉められそうになる> 悪魔1「おい、待てよ、閉めるな、おい」 悪魔2「話を聞け」 悪魔1「いてっいてっ、豆を投げるな」 悪魔2「鬼じゃねえんだよ」 悪魔1「なぜお前がチクチク地獄に行かなきゃいけないか知りたいだろう」 悪魔2「悪いことをした覚えがないか?」 悪魔1「胸に手を当てて、よく考えろ。     お前は幼稚園の時に、親友のマンちゃんのマジンガーZを砂場に埋めて、     マンちゃんは掘り出そうとしたら猫のうんちをつかんじゃって、     臭いがとれなくて晩ご飯は家族と別に、床の間で食べさせられたのだ」 悪魔2「マンちゃん、つらかったろうに」 悪魔1「つらかったろうに」 悪魔2「お前は一年生の時に、親友のグリちゃんのランドセルのなかに錦鯉を入れて、     廊下で暴れるランドセルショーを他の児童達に十円で見せたのだ!     おかげでグリちゃんのランドセルの内側は、ラメ入りになっちゃったのだ!」 悪魔1「グリちゃん、つらかったろうに」 悪魔2「つらかったろうに」 悪魔1「お前は二年生の時、親友のマンちゃんの上履きに粘土を詰めてまた出して、     お道具箱に粘土を詰めてまた出して、縦笛に粘土を詰めて出せなくて、     マンちゃんはその縦笛を無理やり吹いて、鼓膜を破ってしまったのだ」 悪魔2「マンちゃんつらかったろうに」 悪魔1「つらかった」 悪魔2「お前は三年生の―――」   <閉められそうになる> 悪魔1「おい、待てよ、閉めるな、おい」 悪魔2「話を聞け」 悪魔1「グリちゃんの話を聞け」 悪魔2「バカ、マンちゃん!名前言うなよ!」 悪魔1「あ!グリちゃん今僕の名前……     俺は悪魔だ」 悪魔2「俺も悪魔だ」 悪魔1「ソウイチロウちゃん、あきらめな、地獄に行くんだからね」 悪魔2「行くんだからね」 悪魔1「中学生の時に、親友のグリちゃんは、好きだったツバキちゃんと上手く     同じ委員会に入ろうと思ってたのに、お前はありとあらゆる手段を使って、     まんまとツバキちゃんと修学旅行委員になったんだ!     グリちゃんはあまりのショックで髪質が変わっちゃったんだ!」 悪魔2「高校生の時に、僕が好きだったツバキちゃんに宛てた手紙をクラスみんなの前で読んで、     クラスみんなに笑われて、意外なことにツバキちゃんも大爆笑してて、     僕はあまりのショックで髪質が元に戻っちゃったことを覚えているか!」 悪魔1「大学時代、僕とグリちゃんとお前とツバキちゃんと四人で天文サークルに入って、     グリちゃんが望遠鏡覗いてるスキにツバキちゃんとチューとかしちゃってたの見てたんだぞ!」 悪魔2「見られて……ええええ?」   <閉められそうになる> 悪魔1「おい、待てよ、閉めるな、おい」   <ドア閉まる> 悪魔2「……マジで?」 悪魔1「マジで」 悪魔2「全然知らなかった」 悪魔1「僕は当時、ツバキちゃんと付き合ってたからすごいショックだった」 悪魔2「ええええええ!それもマジで?」 悪魔1「マジで」 悪魔2「全然知らなかった」 悪魔1「昔のことだ」 悪魔2「僕は今知った!」 悪魔1「もういいだろ!」 悪魔2「僕がツバキちゃんを好きだったこと知ってたろ!」 悪魔1「知ってたから言えなかったんだよ!」 悪魔2「ひどいよ!あんまりだよ!…悪魔!」 悪魔1「お前もだよ」 悪魔2「あ!そっか!…おっと!ごまかされないぞ!     って、ソウイチロウちゃん!なにそれ?」   <ドアが開いてソウイチロウから何かを受け取る> 悪魔2「……これ……修学旅行で撮った四人の写真」 悪魔1「初めてみた」 悪魔2「ツバキちゃん……かわいいなあ。くっそー!お前まんまとツバキちゃんを!」 悪魔1「だからお前はチクチク地獄に行くのだ!」 悪魔2「行くんだからね!     “あら、今日のおみそ汁はちょっとしょっぱいわね。     年寄りには塩分はよくないから。それとも、わざとなのかしら?”なんて姑に言われるんだ」 悪魔1「“あら、今朝はずいぶん遅いのね?いいのよ、朝ご飯はもう勝手に作って食べましたから。     え?あ、いいのいいの。お掃除もお洗濯ももうすんでますから。     あ、いいのいいの、あっ、いいのいいの、ううっ……     あ、いいのいいの、勝手に死んじゃいますから”なんて姑に言われるんだ」 悪魔2「あ、いいの思いついた。こんなのもあるぞ。“あら―――”」 悪魔1「思い付いたっていうなよ」 悪魔2「でも思い付いちゃったんだもん」 悪魔1「それを言っちゃったら俺達が悪魔じゃないってことがばれちゃうだろ!駄目グリちゃん!」 悪魔2「なんだよ!マンちゃんだって、駄目マンちゃんだろ!     打ち合わせの時のお菓子代どっちが多く出したと思ってんだよ!」 悪魔1「買いに行ったのは僕なんだからそれくらい……ああ!」 悪魔2「ツバキちゃん!」 悪魔1「お、俺は悪魔だ」 悪魔2「お、俺も悪魔だ」 悪魔1「ソウイチロウちゃんは地獄に行くのだ!」 悪魔2「でも、今すぐってわけじゃあない」 悪魔1「いつかお前が星になるとき」 悪魔2「俺たち悪魔は必ず迎えに来る」 悪魔1「だからソウイチロウちゃん」 悪魔2「それまではツバキちゃんを幸せにすると約束しろ」 悪魔1「結婚」 悪魔2「おめでとう」 悪魔1「よーし、ずらかるぞ!」 悪魔2「地獄で会おう!」 二人「わははははははは!わはははははは!うわーんうわーん」    (笑っていたが、抱き合って泣きだす)

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