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地球の歩き方(ラーメンズ台本)

●登場人物 片桐♂:“アメなんとか”に行くらしい 小林♂:“ニッポなんとか”に行くらしい

●注意事項

「ラーメンズ」の同名のコントを書き起こし、声劇用に多少の改変を加えたモノです。

この台本に関しては性別転換等々、好きなようにお使いください。

だいたい上映時間は10分前後になると思われますEndFragment

●本編

片桐「もう一回言って」 小林「“ニッポなんとか”」 片桐「ニ……もう一回」 小林「“ニッポなんとか”」 片桐「“ニホなんとか”」 小林「違う違う。“ニッポなんとか”」 片桐「ああ、“ニホなんとか”」 小林「“ニッポなんとか”!」 片桐「知らねえ!」 小林「だっせえなーお前、“ニッポなんとか”も知らねえのかよ?モテねえぞ」 片桐「その国はどこにあるの?」 小林「“アジなんとか”」 片桐「そんなとこに、そんなイカした国があるもんかねー」 小林「あるんだなこれが。楽しみだなー」 片桐「行くのか?」 小林「うん!今俺さ、世界のことが知りたくて知りたくてたまんないんだ」 片桐「行くんならもっと有名な国にすればいいのに」 小林「確かに、俺も最近まで知らなかったんだけどさ。    “ニッポなんとか”って国は、調べれば調べるほど面白いんだよね!」 片桐「ふうん。で?その“ニホなんとか人”ってのは―――」 小林「おい、“ニッポなんとか人”だよ」 片桐「どっちでもいいよ」 小林「よくねえよ。お前“ニッポなんとか人”に“ニホなんとか人”なんて言ったら笑われるぞ」 片桐「分かったよ。で、どんな奴らなんだよ。そいつらは」 小林「うん、なんでも、見た目は俺達に似てるらしい」 片桐「ふうん」 小林「でも中にはすごい奴がいるらしくて、    “ナなんとか”ってとこに、“ダイなんとか”っていうやつがいるらしいんだ」 片桐「何だそりゃ」 小林「でかい人だよ」 片桐「いるわけないだろ、そんな奴。    なんだ?“ニッポなんとか”ってとこには、巨人が生活してんのか」 小林「生活っていうか、座ってるんだよ」 片桐「適当なこと言うな」 小林「適当なもんか。ちゃんと家もあるらしい」 片桐「ええええー?デカい?」 小林「そう。で、“ダイなんとか”ってやつは“カマなんとか”ってところにもいるらしくて、    そいつには家がないんだけど、肌は青いらしい」 片桐「ええええー?嘘だー」 小林「本当だってば。“ニッポなんとか”のデカイのはそれだけじゃないぞ。    “フなんとか”っていう、山があるらしい」 片桐「どうすごいんだよ?」 小林「活火山らしい」 片桐「おっかねえなあ。どのくらいデカイの?」 小林「たしか世界で九十番目ぐらいらしい」 片桐「たいしたことねえじゃん」 小林「あれえ?……でも、でも、“ニッポなんとか”のすごいところはデカイだけじゃないんですー。    えーっと……豪華なんです―」 片桐「豪華?」 小林「“キョなんとか”ってとこに、“キンカなんとか”ていうのがあるらしいんだけど」 片桐「どうすごいんだよ」 小林「黄金なんだ」 片桐「ありえないだろー。『インディ・ジョーンズ』じゃねえんだから」 小林「本当なんだってば。そのくらい経済大国ってことさ。

   だって、お前“ソニなんとか”知ってんだろ?」 片桐「ああ、知ってるよ」 小林「あれなあ、“ニッポなんとか”のメーカーなんだぜ」 片桐「絶対嘘。ありえない」 小林「本当なんだってば。でな、通貨単位は“エなんとか”っていうんだ」 片桐「“エなんとか”?どういう意味?」 小林「なんか“丸”っていう意味らしい」 片桐「なんで?」 小林「うーん、こう、丸いんじゃない?お金が」 片桐「お前な、そんな原始人みたいな金使ってる国が“ソニなんとか”の国なわけねえだろ」 小林「あれえ?」 片桐「ところで“ニッポなんとか人”は何食ってんだ?」 小林「米をよく食べるらしい」 片桐「それはいいな。米は俺も好きだ」 小林「なんでも、“スなんとか”っていう料理が有名らしくて、握った米に、生の魚をのせるらしいんだ」 片桐「乗せる?混ぜるとかじゃなくて?」 小林「うん」 片桐「うまいのか?」 小林「すっぱいらしい」 片桐「腐ってんじゃないのか?」 小林「米の料理でほかにも有名なのが、“モなんとか”っていうらしい」 片桐「どんなんだよ」 小林「ベタベタしてるらしい」 片桐「やだよ、そんなの」 小林「木の巨大なハンマーで米を叩きつぶすらしい」 片桐「何でたたきつぶすんだよ。分かんねえなあ。握ったりつぶしたり。    とにかく俺は、大切な食べ物を握りつぶしたりするような国には行きたくないね」 小林「でもね、上手いのは米の料理だけじゃないんだぜ。    “なんとかンプラ”っていう、うまい食い物もあるらしい」 片桐「なんだそりゃ」 小林「野菜やなんかを、油で揚げるらしい。うまそうだろ」 片桐「フライドポテトとどう違うの?」 小林「ええとー……あ、そうか。フライドポテトのことか」 片桐「パクってるじゃん」 小林「でも。高級店では塩つけて食べるらしいよ」 片桐「フライドポテトじゃん」 小林「あれ?」 片桐「ゆるぎねえな。塩が決め手だ。完全なパクリだ」 小林「でも、でも、塩はお店の外の地面にも置いとくらしいよ」 片桐「はあ、なんだそりゃ。それじゃあれか、    店の中で“なんとかンプラ”を注文して外に出て地面にある塩つけて食うのか?」 小林「あれえ?」 片桐「なあ、盛んなスポーツとかないの?」 小林「ああ、“スなんとか”っていうのが人気らしい」 片桐「スがつくものが多いな。またすっぱいんじゃないだろうな」 小林「いや、しょっぱいんだ」 片桐「え?」 小林「塩を投げるスポーツらしい」 片桐「塩好きだなあ“ニッポなんとか人”。で、また何で投げるのよ?」 小林「ボールがないんじゃない?」 片桐「お前なあ、ボールも作れない国が“ソニなんとか”の国なわけないだろ」 小林「あれ?……で、塩をなげたあと、人を投げるらしい。最終的にはザブトンを投げるらしい」 片桐「はあ!?なんだそりゃ!?」 小林「知らねえよ。距離を測るんじゃないのか?」 片桐「分からん、“ニッポなんとか人”わからん!」 小林「なんでも選手は、みんな太ってるらしい」 片桐「何でだよ」 小林「よく飛ぶんじゃない?」 片桐「そうか?」 小林「審判はウチワを持ってるらしい」 片桐「なんで?」 小林「あおいであげるんじゃない?太ってるから暑いだろうし」 片桐「厳しいんだか優しいんだかよくわかんねえスポーツだな」 小林「で、試合には、季節の名前がついているらしい」 片桐「え、じゃあ、年四試合!?すくなっ!」 小林「あ、季節といえば、カレンダーあるじゃん」 片桐「ああ、それな」 小林「“ニッポなんとか”ではなんと、月に一枚じゃなくて、一日一枚のやつがあるらしい」 片桐「はあ?」 小林「毎日破っていくらしい」 片桐「あのなあ、カレンダーっていうのは、今がいつごろなのか知るための表だろ?    一日一枚じゃ意味がないじゃないか。    なあなあ、“ニッポなんとか人”ってバカなんじゃないの?」 小林「あれ?」 片桐「それじゃスケジュールも分かんないだろ」 小林「でもたとえば、三日後だったら三枚先に書き込んどけばいいんだよ」 片桐「三日前に何やってたか分かんねえだろ」 小林「捨てちゃうからね」 片桐「やっぱバカだよ」 小林「あれえ?」 片桐「首都はなんていうんだ?」 小林「たしか“トウなんとか”っていうらしい」 片桐「どうせたいした町じゃねえんだろうな」 小林「そんなことねえよ。なんでも“アキなんとか”っていうところがあって、電気屋しかないらしい」 片桐「やだよ、そんな町。一軒あればいいじゃん、電気屋なんて。    じゃあ、そこに住んでる“ニッポなんとか人”は何食ってんだよ」 小林「…そういやそうだな。    あとねえ、“トウなんとか”には”トウなんとかタワなんとか”っていって    すげえとんがってるのがあるらしいんだ」 片桐「なんで?」 小林「わかんない。何かを刺すんだろ?」 片桐「わかった!例の“スなんとか”で負けた選手を刺すんだよ」 小林「そういえば、赤いらしい」 片桐「とんでもない国だな」 小林「あ!」 片桐「なに」 小林「たしか、“ニッポなんとか人”は、お葬式から帰ってきた時にも、体に塩を投げるらしい」 片桐「ほらみろ!つまりその“スなんとか”の選手は、塩を投げることで、相手への殺意を示すんだ!」 小林「ええー!?」 片桐「こいつはいよいよ野蛮な国だぞー!お前本当にいくのか?死ぬぞ!」 小林「うーん……やめとくわ」 片桐「そうしろ。行くんなら俺の旅行についてこい」 小林「お前はどこ行くの?」 片桐「なんでも“アメなんとか”っていう国があるらしい」 小林「どんな国なの?」 片桐「なんでも中にいろいろあるらしくてな、“ニューなんとか”とか、    “カリなんとか”とか、“オクラホなんとか”とか五十一に分かれてるらしい」 小林「やばいでしょそれは。だって、ドイツは二つに分かれて、あれだけもめてたんだぜ?    それが五十一にも分かれてる国なんて、乱れに乱れきってるだろ」 片桐「あ!本当だ!」 小林「お前本当に行くのか!死ぬぞ!」 片桐「やめとくわ」 小林「うん。普通に日本とかアメリカにしとこうか」 片桐「うん」

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